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機械仕掛け

Posted by aochiki | 雑記 | 2006 6月 30 金曜日 4:49 AM

ぼくの心の大半はすでに血が通わなくて
生きているうちに、少しずつ、手術
もう半分以上は機械仕掛けで
もう半分以上はオートメーション
ずいぶんと精巧になってきて
ぼくの心は勝手に動いている
何が便利かと?勝手に動いてくれること

月を見ると、きれいだと
精巧なわりには単純と
策略のわりには見え透いていて
血の通う心は醒めた目で、だまったままで

ずいぶんと長い間機械に任せっきりで
ずいぶんと衰えたものだ
機械の止め方すらわからない

力ずくで止めては見たものの
動き出す反動に負けじと、心は止まったままで
尽き果てて、手を離す

また動き出したオートメーション

サーカス

Posted by aochiki | 雑記 | 2006 6月 30 金曜日 2:48 AM

空中ブランコのつながる手は
すれ違うところでもう少し足りなくて

球面の内側をぐるぐる回るバイクは
さかさまになったところで減速していまにも止まりそうで

綱渡りは長い棒はゆらゆら揺れて
何とかつながる1本の足もずいぶんと傾いて

広い会場と、きれいな照明と、たくさんの人と
大きな円形のステージに
タイツ姿の体がぐにゃぐにゃとよく曲がる人達

ぼくは肝心のところで目を伏せて、意識は遠くへ飛んでいく
拍手、喝采はどこにも見当たらなくて
覚えていることといえばピエロだけ

小さい頃、1度だけ連れて行ってもらったサーカス
ぼくはただただ眠たくて、何度もたたき起こされる
怖いものは母親だけで、恐怖心なんて何も知らかったくそがき

このところ、よく働く

Posted by aochiki | 仕事 | 2006 6月 29 木曜日 4:20 AM

レコーディングが続いて結構体がだるーくなってきて
早く寝ようと思うのにもうこんな時間で
明日も同じバンドのレコーディング

メンバーは少し家が遠いようで、まだ終電までは時間があるというのに
家に帰るのがめんどくさいようでスタジオに泊めてくれよといいやがる

冗談じゃない
こっちは毎日スタジオに監禁されていて、帰りたくても帰れなくて
防音、吸音、無音の無機質な空間のソファーで迎える朝を何度経験したことか
帰れるときは帰らして欲しい

ならばぼくの家に泊めてくれよとさらにあつかましい
もう何時間も顔をつき合わして、明日もだというのに
一人になってリセットさせてくれないと気が狂ってしまう

とっとと帰りやがれと何とか追い出して
家に帰ってボーっとしているともうこんな時間だ

気の知れたバンド録音は結構楽しくて、こんなへなちょこ消してしまえと
やいのやいのと言いたい放題で、ばたばたと騒がしく、録音は無事に終了

明日はミックス

東京を始めた日

Posted by aochiki | 自己紹介 | 2006 6月 28 水曜日 3:41 AM

18歳の春、ぼくは東京にいて
新宿駅南口から甲州街道をまっすぐに歩いて
首都高速が見えてきたあたりでわき道にそれるとホテルはあって
その小さなビジネスホテルからぼくの東京は始まった

その半年前、東京ににやってきて、同じこのホテルに泊まり
ストップウォッチで時間を計る
新宿駅まで10分、中央線で国立駅まで40分、一橋大学まで5分
時計台の写真を撮った

その写真を肌身離さず半年間、いよいよ本番
いまさらあがいたところで始まらないと、ホテルでテレビを見ていた
ベストテンが今週の1位をぱたぱたとめくり始め、WINKの愛がとまらないが表示される
スタジオアルタからの中継が入り、WINKがでてきた

アルタ?すぐそこじゃないかと、すぐそばにWINKがいる
アルタの方角とテレビとをきょろきょろ往復しながら
ここが東京かと一人で興奮し
絶対受かってやると拳を固めたところに、外線電話が鳴る

「よー、気合、はいっとるか」と隊長の声
そういえばやつも新宿のホテル
「あたりまえや、テレビ見とったか?、WINKがこのへんにおるど」とやつの興味をひいてみると
「そんなことはどうでもええねん」と途端にテンションを下げてきた
「非常事態や」とさらに深刻

「おまえんとこのテレビ、有料チャンネルついとるか」

「もうチェックしとるわ、最初は30秒ぐらいただで見れてんけど
どんどん短かなって、もう金払わんと見れへんようなった
おまえもどうせ見れんようなったんやろ
そんなに見たいんやったら、金払え」

「おれなぁ、不覚にも受験生パックちゅうのにだまされてやなぁ
このホテル、有料チャンネルの線、わざわざ抜いとんねん
ピンチや、助けてくれ」

「どないせぇーちゅーねん」

「今から行くわ」と電話は切れた

10分ほどでノックがして
「よー、おまえは命の恩人やー」とたいそうな再開
「悪いけど15分でええから、一人にしてくれへんか」と追い出されてガチャリと鍵が下りた

ぼくはロビーで15分時間をつぶし、自分の部屋にノックする
何事も無かったかのように顔を出す隊長は
「おまえは命の恩人やー」と今度は手を差し出してくる
「手、洗ったんかい」
「細かいこと気にするな、じゃー健闘を祈る、明日また来るわ」

1日目の試験が終わって、やってきた隊長はかなりへこんでいて
ぼくの方はなんとなくうまくいったようなつもりでいて
「すっきりしていけや」と励まして
15分、きっちり済ませて、少しばかり元気を取り戻して帰っていった
ぼくの青春時代はこんな友情で結ばれていた

「なにの回数と合格率は正比例し、なにの回数と合格率は反比例する」
隊長の持論は、東大現役合格で証明したつもりでいる

ぼくはあと何回だったのだろうと、浪人生

座右の音

Posted by aochiki | 仕事 | 2006 6月 26 月曜日 2:51 AM

ピアノ弾き語り、教則本みたいな
これでもう何冊目なんだろうと、今回はサザンオールスターズで
ピアノを録っているだけで、たまにちろっと編集するだけで
出版社の人も少し顔を出すだけで
あとはピアニストの人とさし
コーヒー飲みながら
心地よいピアノの音色と懐かしい曲に浸れる仕事

ぼくの通った大学は、山奥にありながらも
湿った空気の日には、牛の臭いが漂うようなところにありながらも
湘南キャンパスと自称するぐらいで、江ノ島が近く
授業をさぼってはよく海でボーっとしていて
サザンオールスターズをカーステに流してみたり

夕日を浴びてちゃりんこを引きずる高校生カップルをうらやんでみたり
ぼくは大阪天王寺区、「なにめんちきっとんねん」が飛び交う街の男子校あがり
こんなところで青春時代を過ごすとさぞかしさわやかな人格が形成されるのだろうと思ってみたり
そんな海辺の青春を過ごしたはずの人々に大学で出会って、「なんでやねん」と思ってみたり

ピアノを聴きながら潮の香りと波の音を思い出す

サザンオールスターズはぼくには特別で
ファーストアルバムが大好きで
ここにいけばこんな音楽に出会えるのだと、ビクタースタジオに憧れて
この人に引っ付いていけばこんな心地よい音が録れるのだと
クレジットされているエンジニアの人に弟子入り希望をせまったり

ぱらぱらと崩れていった憧れだったけれども
そのころはでっかく光るものをぼく手にしていて

ピアノを聴きながら思い出す

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