日記
掛け時計を取り付けた
秒針が回るのを眺めて過ごした
帰宅して部屋が汚いと思った
積もった埃をいくつも発見する
カーテンもずいぶんと薄暗い色になっていた
孤独の中に浸っていると気づきもしないこと
部屋の灯りをきれいにふき取った
少しばかり明るんだ
秒針が回るのを眺めて過ごした
ぼくは時を待つことを忘れていた
掛け時計を取り付けた
秒針が回るのを眺めて過ごした
帰宅して部屋が汚いと思った
積もった埃をいくつも発見する
カーテンもずいぶんと薄暗い色になっていた
孤独の中に浸っていると気づきもしないこと
部屋の灯りをきれいにふき取った
少しばかり明るんだ
秒針が回るのを眺めて過ごした
ぼくは時を待つことを忘れていた
人の話す言葉がもうわからなくなって
頭はすでに働くことをやめている
耳はいつしか言葉を理解して
せっかく2つあるのだからと考えていた頃も
ノイズ、ノイズとあまりの情報の多さに
くたくたな日々
我慢強かったはずの右耳はとっくにやる気をなくしてしまった
人の話すことの半分も追いつけない
せわしく変わり続ける景色の中で
夜だというのにとてもまぶしくて
頭はずいぶんと前から働くことをやめていて
きみの笑顔ばかりを見続けたいと願った目は
すっかりくたびれてしまった
残された左目の瞳には
きみの悲しむ顔しか映せない
あなたには何か足りないものはないのと聞くので
じゃまなものならたくさんあったと答えた
ぼくの部屋ごとごっそり泥棒に盗まれたとしても
それほどにぼくの部屋はコンパクトでシンプルで
あした着替えるための服を買わなければと思うぐらいで
何が足りないのかわからないまま、いろんなものがあふれている
ぼくは熱心にたくさんのものを捨ててきた
ぼくはいつまでたってもシンプルで
ぼくは何も選べなくなっていた
愛想のない対応をされて
そんなことに腹を立てていてもしょうがない
こっちだって愛想のない客
とりあえずマニュアルにそって言っておかなければと
けだるそうに、学生のバイト
仲間内なら彼の言葉もちゃんと響くだろうに
エプロンにはネームプレート、「松尾」
ふらっと立ち寄ることが身についてしまっただけの客
もっと近所にできてしまえば平気で店を乗り換える客に
いちいち名前を公表するのぼくにはかわからない
ただ、少しばかり彼に興味がわいた
ぼくだって、似たような性格だ
「松尾」と口にしてみる、驚くだろう
「松雄君だよね」はどうか、それもあやしい
「ぼくの名前と同じだよ」なら親しみもうまれそうだ
そんなことを考えながらお釣りを受け取って
無言で店を出る
ぼくも無言なら、松尾も無言だ
見渡せば、他人ばかりの世の中だ
ぼくの記憶にからみつぃた松尾という顔と名前は
奥歯にはさまったするめのようで気持ちが悪い