そして、振り出し

アメリカから戻っても
なんとかひっついていた、師匠とつながる線

スタジオができていた
師匠、会社設立
社員は、師匠と、もう一人エンジニア、ぼくの先輩になるやりてのアシスタントエンジニア
そして、ブッキングのねぇちゃん

今日からよろしくお願いします、と先輩に、ぼくと同い年

「勉強では負けるけど、仕事では負けないよ」、なんだかやな感じ

ともあれ、大学3年、すでに内定がもらえた
とはいっても、いまだにペーペーさ
定期は買ってもらえたけれども、相変わらず夜勤のコンビニ

こっちもつながっていた、コンビニ店長
こりもせず、また雇ってくれる

毎日通ってみたけれど
悪い人じゃないけれど、なじめない先輩
何か物足りない、なじめないスタジオ

小さな録音ブースがひとつ
毎日、ギターダビング、歌録り
オケは打ち込みばかり

再び悪魔が、いいのか、これで、こんなんで

師匠のベンツで連れ出された
大きなスタジオを紹介してくれるという
みっちり勉強して戻ってこいという

ぼくの頭はどうにもわけがわからない、どうしたいのやら
しばし、ぼーっとしたいのだ、もう、疲れたのだ

年の瀬、毛布とお泊まりセットをまとめて
スタジオを去る

師匠、お世話になりました

後楽園、友達とスケートに
開放感

年明けて、もうすぐ大学4年
さて、どうすべか

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