また寒くなりだして、渋谷についたときには鼻がたれていた
風景画がずらりと並ぶ
それぞれの風景には透通るような空間
静寂の中に風と水の音が聞こえる
人物の優しい声が、空間を漂い、消える
静寂の中に身を置くことがぼくには大事だ
美術館を出ると
空間は派手な装飾と人ごみ
わずかな隙間を、耳障りな音楽と下品な笑い声
山手線のホームに流れ込んできた電車
扉があいたとたん、わらわらと人が溢れ出す、わらわらと
そしてまた同じ分量が流れ込む
渋谷で出会うポーラ美術館
いつか見に行こうと思っていた箱根、遠すぎる箱根
向こうから来てくれた
渋谷でなんか出会わなくてもよかったのよさ
帰りに友達のライブに顔を出す
ドカドカうるさいロックンロールの振動
ルノワールの風景はひび割れた