テレビをつけると、「明日の神話」の除幕式が生中継されていて
うさんくさい人たちと、派手な演出と、安っぽいキャッチコピー「Be TARO」
ぼくは大阪万博の年、太陽の塔が完成した年に生まれて
そんなときにゲバ隊の格好をした「目玉男」が塔の目玉に1週間、立てこもっている
なぜそんなことをしたかという質問に
「理由なんかない、それは当時の空気を知る人にしかわからない」と答える
ぼくの中にその頃の記憶なんてほとんど無くて
それでも、その頃の空気がとても気に入って
これが21世紀の空気かとダラダラとテレビを見てしまった
骸骨と閃光と原爆のきのこ雲
目玉男も今では下着屋の店長
空中にはミサイルが飛び交っているというのに
ぼくはぐうぐうと今日も眠りにつく