ぼくの生まれる少し前まで、自分の血液はお金になったそうで
蚊は大事な商品を主人の隙ををねらってもっていく万引き常習犯で
黄色い血追放の連載が読みたくて、ネットをあさる
ときにネットは思いもよらぬところに誘い込み
ミドリ十字から731部隊と事態はさらに重たくなってきて
ぼくも受験では歴史の本をくまなく読んだはずなのに
原爆を食らったのはぼくらの国で、ナチスはあんなに悪いのにと
そんな平和なぼくでも受験戦争を抜け出せるのだ
ようやく参考書から開放される頃に
「なんで言ってくれないのさ」と靖国問題を理解する
近頃、ゆるい本ばかり読んでいたぼくは
「海と毒薬」が頭にはっついて、今は「悲しみの歌」を手に取った
間抜けな泥棒の話
煙草屋さんに侵入して台所で一杯飲んでいたら、家族が戻ってきて、あわてて押入れに隠れたのだけれども、坂本九ちゃんの”幸せなら手をたたこう”がテレビで流れて、思わず手をたたいてしまった
「悲しみの歌」はこんなふうに本編にはいっていく
中学のとき、国語の教師がネタにしていた、ぼくたちはうけた
こんなところからパクっていたのかと、憎めない禿頭を思い出した
それにしてもだ
もう少し肝心なところを教えんかい