石田徹也

見てきました
初日だというのに広々と静かでした
そばに東京タワーが建っていたので
初めて上りました
空中にわんさと人が戯れていました
ここからはさらに別料金
人はそれでも上をめざします
週末、人ごみに埋もれました

見てきました
初日だというのに広々と静かでした
そばに東京タワーが建っていたので
初めて上りました
空中にわんさと人が戯れていました
ここからはさらに別料金
人はそれでも上をめざします
週末、人ごみに埋もれました
日曜日だというのに、雨が降りだからなのか
館内にはぼく一人だけだった
流れていたシャガールの一生のビデオを見ていた
少しだけシャガールの絵が好きになった
ユニマットのコーヒーはこれまでにずいぶんと飲んだ
これといってうまくもなく、まずくもなく、ほっとするひと時
企業はいっぱい儲けて、絵を買って、美術館をつくる
ぼくは見に行く


夕暮れどきの人物 パウル・クレー
美術館を出て海に向かった
海に行くには少しばかり時は遅すぎて
渋滞の車の外でゆっくりと夕暮れはやってきた
闇の中で波の音を聞き、遠く街の灯りを眺めた
曇りがちな空に月の明かりも降りてこない
とにかくぼくは夕暮れに出会わずにすんだ
夕暮れは寂しさを運んでくる
闇の中でぼくは無心でいられる
夕日を浴びるとぼくは混乱する
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もっと感激するかと思ったけれど、それほどでもなく
オープンカフェでコーヒー飲みなが足組んで眺めるような雰囲気と
「なんだ、これは!」なんてまた糸井重里が
写真にとって持って帰ってきた
骸骨がピンボケしていて悲しい
テレビをつけると、「明日の神話」の除幕式が生中継されていて
うさんくさい人たちと、派手な演出と、安っぽいキャッチコピー「Be TARO」
ぼくは大阪万博の年、太陽の塔が完成した年に生まれて
そんなときにゲバ隊の格好をした「目玉男」が塔の目玉に1週間、立てこもっている
なぜそんなことをしたかという質問に
「理由なんかない、それは当時の空気を知る人にしかわからない」と答える
ぼくの中にその頃の記憶なんてほとんど無くて
それでも、その頃の空気がとても気に入って
これが21世紀の空気かとダラダラとテレビを見てしまった
骸骨と閃光と原爆のきのこ雲
目玉男も今では下着屋の店長
空中にはミサイルが飛び交っているというのに
ぼくはぐうぐうと今日も眠りにつく