濁点な音楽

ベチベチ、バキバキ、ジャキジャキ
キック、ベース、ギター、全部の音に濁点をつけていく
音量はどんどん上がって
ピークメータは振り切ったままになってしまった
もう限界ですとヘビーメタル

終わったあともぼくの鼓膜は震えっぱなしで
自然な音はもう遠くにしか聞こえない
鼓膜の揺れを指でつまんで止められないものかと
耳の中に指を突っ込んでみるけれど入るわけもなく

こんなときはユーミンでも聞いて帰ろうと
カーステには澄んだ音楽が
「春よ、来い」の心地よい響きに耳は同調し、落ち着きを取り戻す

ところで、どんな場面で聞くものなのかとヘビーメタル
ホラー映画によく流れるヘビーメタル
現実にはなかなか遭遇できないそんな場面

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