駅の改札は一番後ろにあるから
電車の尻尾に乗る
最後の車両は優先座席と張られた3人がけの小さなシートはなくて
ちょっとした広い空間になっていて
そこのすみが落ち着いて、そこがぼくの場所だと勝手に決めている
電車の中はオセロのように角から陣取りは始まって、端が押さえられて
敗北すると、真ん中に追いやられる
なぜにここにつり革を並べないと、中央線
不安定な足場に、人の足を踏んづけてはしまいかと
落ち着かない時間をすごす
普段は車で往復する家とスタジオも
レコーディングが連発するとゆっくり本を読んでいる暇もなく
電車のその空間がぼくには必要で
本でも読みながら帰ろうと車をスタジオに置き去りにして
ホームで電車を待つ
ぼくの場所はと、ホームの後ろへ移動する間に
ゲロを2箇所に発見し、今日は金曜日かと
終電間際にやってきた高尾行き
酒の臭いと、生ぬるい空気と、こんなにも気持ち悪い人肌のぬくもり
ぼくはどこに連れて行かれるのだろうと
どんなだったのだろうとホロコーストを考えてみる