家を出て
鍵をかけたか気になって
毎日のことで、無意識にかけたに決まっていると
角を曲がってずいぶんと歩いたのに
疑いだすと無意識を信用するにはどこにも根拠がみあたらない
結局、引き返すのだけれども、ちゃんと鍵はかかっている
車を止めて
振り返ると、ライトがついたままだ
だから、無意識なんて信用できないのだ
20回に一回ぐらいはへまをやらかす
きっちり、監視しておかないと
階段をぼくはのぼっている
これも無意識にまかせっきりだった
段差を確かめて、うまいものだ
これは大丈夫だろうと思ったところで、けつまづいた
ぼくにやらせてみろと手本を見せる
左足をあげて、1段上に
右足をあげて、左足を追い越してそのまた上に
よろよろと
「君には無理だよ、さっきけつまづいたのも
君がちょっかいを出してきたからだ」
と無意識は言う