帰省

毎年、一般道でのろのろと帰るものを
今年は高速でも乗ってみようかと乗ってみて
アクセルを踏んだらもうやることがなくなって

エンジン熱が車内に送り込まれてくる暖房は
暑いのなんのと、大丈夫かこのポンコツと
今日はなんだかトイレも近くて
サービスエリアが現れるたびに、車線をそれて
エンジンルームを開け放ち、ぼくはトイレで用を足す

1年1度の疲労困憊の長旅で
家族とはいったいなんだろうと考えて
親族なんてもっとわからない
姉貴が勝手に連れてきただんなに、いつの間にやら沸いてきた甥っ子2匹
年玉袋に金を詰め込みながら
親族なんてもっとわからないと、そんな人々に会いに行く

もう疲れきって眠いのだというのに
「人生ゲーム」につき合わされて
ぼくがガキの頃に流行ったゲーム
いまどきの子供もやるのかと

人生そんなにあまくないぞと、がっぽがっぽと札束をため込んで
自動車保険、生命保険と堅実で

ぼくは職にも就けず、フリーター、家も持てなくて、手形が残る
こんなくそガキどもに打ちのめされて

親族とはいったいなんなのだろうと考える

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