望遠鏡

ちょいと用があって、久しぶりに電話する
「わたし、誕生日なのー」

バッドタイミング
ぼくは、彼女の実態をよく知らない

「趣味、なんだっけ?」
「ブランドものー」

新宿の街をぷらぷらと
ブランドものなんてまったく興味が無い

ぼくの近頃の興味は望遠鏡
知り合いの家で望遠鏡を発見していらい
星をのぞきたくてしょうがない

知らず知らず、望遠鏡屋をさがしだす
もう彼女の趣味なんて関係ない
ぼくが欲しいもの、みんなが欲しいもの

望遠鏡といってもピンキリ
安いものは使い物にならない
奮発していいものをあげるほど彼女にお熱なわけでもない

お手ごろな顕微鏡
ここは東急ハンズ
「ラッピングは赤色でよろしかったのでしょうか」
「赤だ、赤、何回も言わせるな、女にあげるのだ」

彼女はちゃんと刺身とか観察してくれてるだろうか
刺身をのぞくと、妙な生き物がうようよ
食えなくなるらしい

今日、オークションで落札した
はやくやってこないか、ぼくの望遠鏡

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