ダ・ヴィンチ・コード

本屋の店頭に山積みにされたころ
きになってページをぱらぱらとめくってみたものの
ハードカバー、上下巻も買ってみる気にもなれず
文庫化されてからにしようと

テレビでは何本も特集が組まれて
まがいものの本が周りを飾るように並べられて

ルーブル美術館展には、美術館では見かけることのなかった
顔の真っ黒な派手なねーちゃんまでが出没し
ダ・ヴィンチ展まで開かれて

文庫化されてからも、何度か手にとって盗み読みしてみたけれど
結局、買うにはいたらず
ようやく、まとわりついていたものが払い落とせたと思ったところに
映画が公開

平日だというのに行列が伸びていて
そのしっぽにぼくもひっついてしまった

半年間、ぼくの中に住み着いていたイライラ
すっきりと、がっかりと

帰宅する中央線の中で、白髪のおっさんが読む雑誌をぼんやりと眺めていた
大衆にながされない、そんな見出しがぼくの目に映る

本屋では息を吹き返したように
まがいものの本はさらに増えて

ダ・ヴィンチブームだなんて

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