時が早く流れてしまえばいいと思って
寝ている間に時が流れてくれればいいと思うときがあって
この時期さえ乗り切ればと
そう思ってずいぶんと長い時を浪費してきた
楽しい時に時は早く流れるわけでもなく、悲しい時に遅く流れるわけでもなく
気がつけばたくさんの時が流れていて
さて、思い起こしてみて、特別だった時を取り出してみたところで
ただただ、なんでもない時が山済みになってるばかりで
いつも決まって同じ時を取り出してみては、ひとつ、ふたつ、と数えてみる
ひとつ、ふたつ、みっつがなかなか見つけられず
ところで、じぃさんはこれまでの長い年月をながながとぼくに語る
じぃさんはあれやこれやと時を取り出してはぼくに自慢げにみせる
ぼくはじぃさんのさしだした時を集めて数えてみては
ひとつ、ふたつ、みっつが見つけられずに
それでもじぃさんは何度も同じ時を語り続ける