入ってはみたものの、音楽業界

やっと見れたレコーディング現場
師匠にひっついていろんなスタジオに

ビクタースタジオにだってズカズカと
こっちは客だ
といってもかなり気まずい
みせかけの大人な挨拶を交わす

心は踊るが、懐は寂しくなってきた
ただの機材持ち、お金なんかもらえるわけがない
こんなに頻繁に都内に出かけては交通費だってばかにならない

週4回、夜勤のファミリーマート

朝起きて、出欠が進級にひびくドイツ語
コーヒー飲んで一息ついて、都内のスタジオに出かける
終電で帰ってきて、朝までファミリーマート
そのまま語学に出て、スタジオに出かけて、終電で帰ってきて
やっと寝れた

1日おきに徹夜
こんな生活続くわけがない

ファミリーマートの店長は朝から店番
帰って酒でもひっかけて寝るかと、ぼくがやってくるのをまだかまだかと待っている

「終電、乗り遅れましたー」
店長のいる場所まで距離にして100メートル足らずのぼくの自宅から電話する
声が近すぎやしないかとドキドキ

「そうかぁー」
いい人すぎる

お互いふらふら、今回は死んでくれと、ぼくはグーグー寝てしまう

元気になってスタジオへ
今日も繰り返される同じ曲
もうこのサビ100回は聴いたっけ

つまみだらけの機材も見なれてしまえばなんのことはない
それにしても地味な作業

はたから見ているだけのぼくは妙に客観的
何が行われているかさっぱりわかってもいないのに
つまらない

こんなもの?が日を追うごとにでっかくなっていく
いつしか、日本てこんなもの?に変わる

アメリカは違うはず
見てみたくなったアメリカ

大学3年、夏休み
ぼくはアメリカにいってみた

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