スタジオが圏外だからなのか、ぼくに用のある人なんていないのか
ぼくの携帯はうんともすんとも言わず、じっとだまったままだ
壊れてしまったのではないかと、たまには振ってみたり、たたいてみたりする
生気をとりもどした携帯はピロロロンと迷惑エロメールを受信する
今日は1日電波の快適なところにいた
携帯はもう勘弁してくれよと言わんばかりに
なまりまくった体をぶるぶる震わされつづけている
電気ショックの拷問を浴びせられているようで
たまには苦しめと、携帯が暴れる様をぼくは見ている
そろそろよいかと、携帯を取り上げていくつかのやり取りをすますと
役目を果たしたかのようにバッテリーが切れた
必ず捕まえてやると発信される電波は
やってきた形跡を確実に残す
気づかずにいること、気づいていてもやり過ごすこと
状況、心境、お構いなしにずけずけと割り込んでくる
それでも、申し訳ない気になったりする
なんだか、一方的だと少しむっとする