たとえば、自転車

「たとえばの話さ

まだ自転車に乗れなかった頃に
後ろを父親に支えてもらって練習する
ずっとついてくれているとばかり思っていた父親は
いつの間にか手を離して
一人で乗れてたはずなのに、バランスを崩してこけた

そんなようなものさ」、ぼくの肩にいる小さな悪魔は耳元で言う

突然何を言い出したか、さっぱりのぼくは、「何の話さ」と聞く

悪魔は、「ぼくの仕事さ」と言う

悪魔の持つ槍がチクチク首筋に当たってうざったい

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