東京八景 太宰治

このところ、午前中からのレコーディングが続いた
久しぶりの通勤ラッシュ
始まりがが早いと、終わるのも早いのだけど
めいいっぱい働いた気になって、少しはのんびりさせてと
休みの日には、いつまでも布団から出ずにぐうたらしていると
いつのまにか日も傾いて

何もない休みもわびしいもの
近所に何かないかと探してみると、八王子に北斎展

早速、車で出かけてみたものの
20号、16号、中央道、くねくねと入り組んで、街の周りをくるくると徘徊するばかり
たどり着けない美術館、日は暮れて、すでに閉館時間
見逃した冨嶽三十六景

それならばと、富嶽百景をもとめて本屋に向かう
この人の本を読んでいては、ダメ人間がうつってしまうと
けぎらいしてきたけれども
自分がダメ人間になってしまえばもってこいの小説

表題作は走れメロス
いまさらメロスかよと思いながらも、気にもせずに買ってみたけれども
持ち歩くとなると、小学生の読書感想文
はずかしくなり、家に帰ってこっそり読む

いくつかの短編、もはや富嶽百景なぞどうでもよくて

毎日、武蔵野の夕陽は、大きい
夕日の見える三畳間にあぐらをかいて、わびしい食事をしながら、妻に言った
「僕はこんな男だから出世もできないし、お金にもならない。けれども、この家ひとつは何とかして守っていくつもりだ」、東京八景

ぼくも、武蔵野の小さなアパートに住んでいる、夕陽は大きい

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