町の紋章

深夜に映画が見たくなってビデオ屋まで散歩する

ビルのてっぺんに突然、でっかいクレーンがあらわれて
遠くから眺めているぼくにはとても不自然に見えて

小さなクレーンが一回り大きなクレーンを引き上げて
それがまた一回り大きなクレーンを引き上げて
あんなにもでっかくなった
理屈はわかっていながらも不思議な風景だ

開かずの踏切をわたる
朝夕のラッシュ時には本当に開かない
ずいぶんと高架工事も進み
空中に線路が延びてきた
はじめからこうしていればとバカにしながらも
突然、電車が上を走り出すことを考えると
切り替わる瞬間はどんなものかと
またしても不思議にやられる

バベルの塔はどこまで伸びていたのだろうと、カフカの「町の紋章」があらわれる
バベルの塔の何百年にもおよぶ建設計画は、何百年にもわたる人間の技術の進歩を考えると
100年後の人間は100年前の技術をあざ笑い
建設中のバベルの塔を取り壊し、最新の技術で造りなおす
そう思うと、造る気も萎えた

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