日記

小さな箱の中に
人間はこんなにもコンパクトになるもの
坊さんの言葉は単調で、耳障りのよい楽器の音色
参列者は一様で、同じ言葉をぽそりと口にして
まだ小さな子供は見よう見まねで大人のあとに続く
同じしぐさが繰り返されて

ぼくの前では冗談ばかり
今日のあの人は小さく見えて
何かを想い起こしては、ハンカチをあててうつむいて

すべてが形式的に進んでいく
ぼくにもこんな場面がくるのだろうか
最愛の人をこうやって見送るのだろうか

ぼくもやっぱり途方にくれて
自分にはさっぱりわからないお経と形式に導いてもらう
ぼくには人を導く術がわからない

ライブハウスがオープンするというので
その足でパーティーに出かける
通夜に参列した人に会った
めでたく、ばかげた空気の中で
ぼくたちはまだ笑っていられる

ぼくには、冗談ばかり言っていたあの人の涙だけが残る

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