透明人間 H.G.ウェルズ

透明人間になってみたけれど、寒くてしょうがない
服を着てみたなら、靴もはかなければ
手袋はめて、帽子をかぶって、眼鏡をかけて
マスクに、つけ鼻
なんとか人間らしくなった

これでは透明になった意味がない

透明人間になってみたけれど、くしゃみが出てしょうがない
怪しまれてはいけないと、がまんする
人の視線はぼくの体を通り抜けていく
足を踏まれ、突き飛ばされる

疲れ果てて目を閉じる
透明な瞼は何もさえぎらない

自由を手にしたつもりが、孤独になった
ただ、寒い

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