蛍川 宮本輝

「光が二つくっついてんのには、てぇーだしたらあかんで、まむしやから、かまれるで」
とおかん

車で20分も走れば、きれいに建ち並ぶ住宅地の風景は一変して山と田んぼになる
街頭もなくなり、暗闇の中に川の流れを感じる

夏になると、家族はおとんの運転で蛍狩りに出かける

子供の頃は何でもなかった風景と、今もその町に住むおとんとおかん

ぼくはもう蛍を見ることはないのかと、ふと思う

とんぼさえも見つけられない

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